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BlackBoxKyotoは、映像作品を単に「鑑賞するもの」としてではなく、反復的に鑑賞され、保存され、継承されうる文化資産として捉え直すための拠点です。株式会社nenexが2024年に構想を立ち上げ、2021年頃から開発を進めてきた国際コンテンツ流通支援システムの思想と実践を、空間体験として提示する場でもあります。

「BlackBox」という名称には、神話化されたホワイトキューブへの静かな異議が込められています。白く開かれた展示空間ではなく、視線の逃げ場が少ない暗い箱のなかで、映像作品と身体が直接向き合う環境をつくることで、作品を"観る"体験をより深く、より私的なものへと変えていきます。BlackBoxKyotoは、そうした親密な体験を通じて、映像作品に対する新たな関係性をひらくことを目指しています。

BlackBoxKyoto 会場内観 — スクリーンと椅子が並ぶ暗い上映空間

会場は、スクリーンの前に10〜12席程度を配した親密な空間です。一般的な映画館のように整然と整備された座席配置ではなく、作品との距離や身体感覚を強く意識させる濃密な鑑賞環境をつくることで、映像との出会いをより直接的なものへと変えます。鑑賞者は、作品の時間、光、音、気配に包まれながら、展示でも上映でもない独自の体験に身を置くことになります。

Platform

流通プラットフォーム ArtEX(アーテックス)について

ArtEX 取引の6ステップ:出品(Creation)→ 記録(Archival)→ 閲覧(Curated display)→ 取引(Settlement)→ 保管(Custody)→ 継承(Legacy)

複製可能でありながら固有性が必要とされる映像作品の取引を、個体識別技術で解く。それが流通プラットフォーム ArtEX です。

Rights Operating System としての ArtEX は、nenex 社が開発する流通プラットフォームで、現在システムは実装進行中です。Certificate / Provenance / Royalty / Governance の四つのレイヤーで作品を 記述・証明・分配・統治 します。

ArtEX の初期実装拠点として、2026年5月22日に BlackBoxKyoto をオープンしました。

BlackBoxKyoto では、Edition Hash という概念を用いて、購入・真正性・来歴・展示(上映)などにまつわる権利を一貫して扱う基盤 ArtEX を用いたディーリング(作品の取引)を始めています。これは従来のアートマーケットにおける映像作品のビジネス・スキームを大きく超えるものです。

ArtEX は BlackBoxKyoto を通じて現在 PoC フェーズにあり、展示・取引・寄贈における完全な運用基盤の確立に向けて、実装を段階的に拡張しています。今後は生成 AI による派生作品や学習データの権利領域にも対応を進める方針です。

FAQ
Q.  このプロジェクトはいつから始まったものですか?
2024年から構想を進めてきました。 映像作品を「観るもの」から、「所有され、保存され、繰り返し体験されるもの」へと開いていきたい。そう考えたことが出発点です。 背景には、2021年頃から開発を進めている国際コンテンツ流通支援システム(コードネーム:ringlong)があります。BlackBoxKyotoは、その思想や実践を空間として社会にひらくための場として立ち上げました。
Q.  「ブラックボックス」という名前にはどのような意味がありますか?
簡単に言うと、神話化されたホワイトキューブへの静かな異議申し立てです。白いギャラリースペースでは取りこぼされてしまう映像作品を、暗い箱のなかで、より深く体験してもらいたい。ただ「鑑賞する」のではなく、「この作品を手元に置きたい」と感じるところまで、映像との距離を近づけたい。その願いを、この名前に込めています。
Q.  BlackBoxKyotoという空間でこそ味わえる、映像作品の魅力とは?
暗い箱のなかでは、視線の逃げ場がなくなります。 呼吸、沈黙、かすかな身振りが、こちらの身体に直接触れてくる。ホワイトキューブでも映画館でも、テレビでもYouTubeでもない。作品を「鑑賞する」というより、作品に巻き込まれる。そんな映像体験になるはずです。
Q.  このプロジェクトを通して、どのような刺激をアートシーンに与えたいと考えていますか?
映像作品を、一度きりのイベントではなく、繰り返し観られ、保存され、語られ、受け継がれていくアート作品として扱う価値を高めていきたいと考えています。そのための新しい回路を、京都から静かに、しかし確実に更新していきたいと思っています。